おなかの中を覗いたとたん、赤く腫れた腸と、炎症による癒着・厚く膜状になった炎症成分が付着しています。 | ||
これを剥がしとると・・・ | ||
大量の膿が噴出しました。これが患者さまを4日間も悩ませた熱と痛みの原因です。 | ||
強い炎症で腫れあがり、さらには一部腐ってぼろぼろになった虫垂が現れました。(分かりやすくするために紫色で色づけしています) | ||
途中は腐って、2つにちぎれていました。 | ||
虫垂の根元を糸で縛り、いよいよこれを切り取ります。 | ||
きずが汚れないようにビニールバッグに入れて回収します。 | ||
おなかの中の膿をガーゼを使いながら十分に洗います。 ここでも腹腔鏡が威力を発揮します。腹腔鏡を使用するとおなかの中をくまなく観察しながら、十分に洗うことができます。 通常の手術ではこうはいきません。 |
膿などがおなかに残らないよう、念のために細いビニール製の管を入れます。 腹腔鏡手術では目的とした場所にしっかりと確認しながら管を入れることが出来ます。 患者さまは術後2日目に無事に退院されました。 |
お腹のきずは左のような感じです。 膿のたまりを作ったような虫垂炎の場合、お腹を大きく開けて手術をし、しかも化膿しやすいために汚い傷が残ることが多いのです。 腹腔鏡手術では小さなきずでお腹の中を十分きれいに洗うことが出来て、しかもきずが化膿することがとても少ないため、このような虫垂炎には非常に有効といえます。 *左の写真は同じような状態の虫垂炎を腹腔鏡で手術した別の方の写真です。 |