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当院で可能な腹腔鏡手術
大腸切除術(悪性疾患)
腹腔鏡下手術
EITS消化器腹腔鏡手術エキスパートELKクリニカルアドバイザー、日本内視鏡外科学会技術認定医を中心に腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。
腹腔鏡補助下大腸切除術の実際(左側)
大腸疾患に対する腹腔鏡手術は胆嚢摘出術に次いで、一般化している腹腔鏡手術のひとつです。まずは左側の大腸を切る手術から見てみましょう。
基本的に処理する血管は少ないのですが、がんに対する手術の場合、血管の周りに付いたリンパ節(通常血管のまわりの脂肪の中に入っています)をしっかりと取ってくる必要があります。
その一方で、血管には重要な神経がまとわり付いているので、これを傷つけないように残すことも重要です。

大腸についている血管の入った膜(腸間膜といいます)を切り開き、腸に行く血管を処理する(切り離す)準備をします。
もともととても粗くくっついている膜なので、ほとんど血が出ることなく、この膜をはがすことができます。

腸に行く血管が大動脈から立ち上がる部分です。
血管の周りにリンパ節があるので、この場所で血管を切れば、癌が及ぶリンパ節はほとんどが取り切れることになります。

[右図解説]
がんの場所が肛門に近い場合や早期のがんの場合、腸に行く血管が1本枝分かれしてから切ることがあります。
この場合でもなるべく根元から枝分かれまでの血管についている脂肪を取ってきて、リンパ節に入っているがん細胞を取り残さないように注意します。

中の血管を切り離しながら、腸間膜を大腸ぎりぎりまで切り開いていきます。

肛門側の大腸をはがし、切り離しをスムーズにするために切り離し予定部分の腸を充分露出しておきます。

カッターとホッチキスが合体したような器械で、大腸を切り離します。
この後、お腹の一番下の傷を4cmに広げて腸を引き出し、大腸の口側をお腹の外で切り離します。
これで、病気の部分を含んだ大腸が切除されます。

いよいよ残った腸同士をつなげます。この手術の中でも一番緊張する場面です。
自動吻合器という器械を使ってつなぎ合わせます。
異常がないか確かめながらゆっくりとつないでいきます。

右が腹腔鏡下大腸切除術のきずです。
左が通常の開腹手術のきずです。

この手術の術後入院期間は8日です。

切り取られた大腸です。真ん中の盛り上がっている部分が、がんの部分です。