診療科のご案内
泌尿器科先端治療のご案内
前立腺肥大症の先端治療 HoLEP(ホーレップ)
前立腺肥大症とは
前立腺は男性だけにある臓器で、精液の一部である前立腺液を作製している臓器です。膀胱の出口にあり尿道を取り囲むように存在しています。
正常な大きさは15〜20ml(胡桃大)ですが、加齢に伴って大きくなり (肥大症)、尿道が圧迫されるため尿の出具合が悪くなり、膀胱を刺激して頻尿の原因となります。尿閉といって完全に尿を出せなくなる状態となることも少なくありません。
- 尿の勢いが悪くなった
- 尿の切れが悪くなった
- 尿が出るまで時間がかかる
- 尿が出た後も残っている感じがする
上記の症状の場合は前立腺肥大症を考慮して検査します。
また、あまり自覚症状が無くても、長年尿の出が悪い状態が続くと、膀胱が尿を押し出す力も弱くなり、ひいては腎臓機能まで悪化する可能性があります。内服治療で効果が不十分な場合や尿閉を起こす場合は手術治療をお勧めします。

前立腺肥大症の手術治療
前立腺肥大症の手術治療には従来から行われているTUR-P(経尿道的前立腺切除術)があります。電気メスで細かく削り取るような治療法ですが、前立腺は血流が豊富なため出血が多くなり、輸血が必要になることも少なくありません。そのため前立腺の大きさにも限界があり、100mlを超えるような大きな前立腺肥大症に対しては開腹手術を行う必要性もありました。
HoLEP(ホルミレーザー前立腺核出術)とは
出血が少なく大きな前立腺にも対応出来るHoLEPホルミウムレーザーを使用して経尿道的に前立腺を摘出する方法で、従来の電気メスを使用したTUR-Pに比べて安全性・確実性の高い治療法と考えております。
全身麻酔の下で尿道からカメラを挿入し、前立腺の肥大腺腫をホルミウムレーザーでくりぬくように核出します。出血が少なく確実に腺腫(内腺)を摘出することができます。
また従来は開腹手術が必要になるような大きな前立腺(200ml以上)にも対応可能であり、低侵襲で安全性の高い手術です。出血が少ないので輸血の準備も必要ありません。
摘出した前立腺は病理診断が可能で、前立腺癌の有無も確認できます。
入院期間は5〜7日間が標準になります(経過により延長することがあります)。

HoLEP(ホルミレーザー前立腺核出術)の利点
- 出血が少ないため輸血のリスクが低い
- 前立腺の大きさに制限無く治療が可能
- 再発が少ない
- 確実に腺腫を摘出でき、病理診断が可能
などがあげられます。詳しくは外来担当医にご相談ください。
尿路結石症の先端治療 f-TUL(エフ・ティーユーエル)
尿路結石の症状
尿は腎臓で造られ尿管を通過し膀胱へ溜まります。結石の多くは腎臓で発生し、腎結石となります。ほとんどの場合、腎結石は症状がありません。腎臓から尿管へ結石が落下し、尿管が詰まると水腎症となり、腎盂・腎杯が拡張することで痛みを生じます。尿管結石は突発的な背部痛で発症します。結石が膀胱内まで落ちると尿管が開通し痛みや水腎症が改善しますが、結石が残ると感染症や腎機能の悪化を来す可能性があります。

尿路結石の治療
尿路結石の治療は一般に体外衝撃波結石破砕術(ESWL)と経尿道的尿路結石除去術(TUL)があります。ESWLは比較的簡単な治療法ですが、結石の位置や硬さによって破砕効果にばらつきがあり、破砕できても摘出することが出来ないため疼痛が持続したり、複数回の治療が必要になることも少なくありません。
一方、TULは結石を内視鏡で直接確認してレーザーで砕石するので、ほぼ確実に結石を砕くことができ、同時に破砕した破片を摘出することが可能です。つまり1回の治療で結石をほぼ完全に除去できる可能性が高い治療法です。
f-TUL(経尿道的尿路結石除去術)とは
柔らかい尿管鏡(flexible-scope)を用いたTUL
TULは全身麻酔の下で尿道から尿管へ内視鏡を挿入して治療を行いますが、真っ直ぐな硬い金属の硬性尿管鏡では蛇行する尿管内や腎臓までの到達が困難です。そこで、柔らかい軟性尿管鏡を挿入することで、腎盂・腎杯の奥まで到達することが可能となります。軟性尿管鏡(flexible-scope)を用いるため、f-TULと呼ばれます。
細い尿管内での操作となり、非常に高度な技術が要求される繊細な手術です。

f-TUL(経尿道的尿路結石除去術)の利点
- 確実な破石
- 摘出して結石除去可能
- 結石の位置にかかわらず対応可能
- ※ 結石の大きさや発症してからの期間、感染症の有無により治療方針が変わることがあります。
などがあげられます。詳しくは担当医にご相談ください。